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東北隠れB級グルメ

東北6県に息づく、まだ広く知られていないB級グルメを紹介。

地元の総菜屋や食堂で愛される一皿に出会えます。

「東北のグルメといえば何が思い浮かびますか?」牛タン、わんこそば、きりたんぽ。もちろん、それらは間違いなく絶品です。でも、正直なところ、ガイドブックの1ページ目を飾るような有名どころだけでは、東北の真の深み、そして「沼」のような魅力は語りきれません。地元に住む私たちライターが、本当は行列が長くなるから秘密にしておきたい、けれどこの感動を自慢したくてたまらない……。そんな「隠れB級グルメ」が東北6県には、それぞれの街の路地裏や家庭の食卓に、ひっそりと、しかし力強く息づいています。今回は、まだ全国的には名前が届いていないかもしれない、けれど一度口にしたらあなたの「推しメシリスト」に強制ランクインすること間違いなしの、6つの宝物をご紹介します。

 

【青森】津軽の母の愛が詰まった「イカメンチ」青森といえばリンゴ、あるいは大間のマグロ。ですが、津軽地方の家庭で代々愛され続けているソウルフードといえば「イカメンチ」に止めを刺します。驚くべきことに、これ、実は「もったいない精神」から生まれた料理なんです。新鮮なイカを刺身にした際、余ってしまう「ゲソ(足)」を細かく叩き、季節の野菜や山菜と一緒に小麦粉で混ぜて揚げ焼きにする。サクッ、ふわっ、とした衣の中から、イカの凝縮された旨味がジュワッと溢れ出し、野菜の甘みと混ざり合う……。これに中濃ソースを少し多めにかけて、熱々のまま頬張る瞬間。正直なところ、これ以上のビールのお供、そしてご飯の相棒を私は他に知りません。高級店ではない、街の総菜屋さんの店先から漂うあの香りは、津軽の冬の厳しさを忘れさせてくれる魔法の匂いです。

 

【秋田】マタギも虜にした!?禁断のモチモチ「バター餅」秋田の隠れたエースは、北秋田市で愛される「バター餅」です。「お餅にバター?」と意外に思うかもしれませんが、ここだけの話、一度食べるとその背徳的な美味しさに、誰もが抗えなくなります。お餅にバター、卵黄、砂糖を練り込んだシンプルなものですが、最大の特徴は、極寒の秋田でも「時間が経っても驚くほど柔らかい」こと。口に入れると、赤ちゃんのほっぺのようなモチモチ感とともに、バターの芳醇な香りが鼻を抜け、優しい甘さが広がります。かつて狩猟を行うマタギたちが保存食として山に持ち歩いたという説もありますが、今ではドライブ中のおやつや、自分へのちょっとしたご褒美として、県民に不動の地位を築いています。この「和と洋の幸せな結婚」は、体験してみないと損ですよ。

 

【岩手】コロッケの概念を覆す「北上コロッケ」岩手県北上市で生まれたこのコロッケ。名前だけ聞くと普通ですが、中身を知ればその「異質さ」に驚くはずです。具材に使われているのは、粘り気の強い「二子さといも」、地元のブランド牛「きたかみ牛」、そして「しらゆりポーク」に、アクセントのアスパラガス。一般的なジャガイモのホクホク感とは正反対、里芋特有の「トロッ」とした濃厚な粘り気が特徴です。そこに最高級の牛の旨味が溶け込み、ソースなしでも完成された深みのある味わい……。これまでの人生で食べてきたコロッケの概念が、音を立てて崩れるような衝撃を味わえるはずです。

 

【宮城】お肉じゃないのにこの満足感!登米の「あぶらふ丼」宮城県北部の登米市(とめし)に伝わる伝統食材「あぶらふ(油麩)」。これをカツ丼のように甘辛い出汁で煮込み、卵でとじたのが「あぶらふ丼」です。麩を油で揚げた「あぶらふ」は、出汁を吸うと驚くほどジューシーになり、まるで極上の肉のような食感に変化します。「お肉じゃないから物足りないんじゃない?」と思ったあなた、ぜひ一度騙されたと思って食べてみてください。一口食べれば、衣から溢れ出す濃厚な出汁と、揚げ麩ならではの香ばしさが口いっぱいに広がり、ご飯をかき込む手が止まらなくなります。がっつり食べたいけれど、どこか体に優しい。そんな東北人の優しさを体現したような、心温まる一皿です。

 

【山形】割り箸に巻かれた歩く文化「どんどん焼き」山形県民のソウルフード「どんどん焼き」は、いわば「持ち運べるお好み焼き」です。薄く焼いた生地を、1本あるいは2本の割り箸にクルクルと巻きつけた独特のスタイル。なぜわざわざ箸に巻くのか?それは、昔の子供たちが祭りの屋台などで、遊びながら片手で食べられるように工夫された、先人の粋な知恵なんです。魚粉や紅ショウガ、青のりの香りが効いた濃厚なソース味は、どこかノスタルジック。一口噛み締めれば、幼い頃の夕暮れ時を思い出すような、切なくて優しい味がします。最近ではチーズ入りやカレー味など進化系も登場していますが、まずは王道のソース味を、街角の小さな売店で買ってみてください。

 

【福島】鉄板の上に咲く「黄金の花」円盤餃子最後は福島県。福島市を訪れたら、夜の街を黄金色に彩る「円盤餃子」を避けて通ることはできません。フライパンの形に合わせて、20個以上の餃子を円状に並べて一気に焼き上げる。テーブルに運ばれてきたその姿は、まさに大輪の花。「こんなに食べられるかな?」と一瞬不安になりますが、驚くことに、皮はパリッと驚くほど軽やか。野菜がたっぷり入った餡はしつこさがなく、気づけば一人で一皿ペロリと平らげてしまうのが「円盤の罠」です。仕事帰りの大人たちが、この円盤を囲んでビールを酌み交わし、今日一日の疲れを笑い飛ばす。そんな福島の温かな日常に、あなたもそっと混ざってみませんか?

 

旅の終わりに:あなただけの「東北」を探して東北のB級グルメは、どれもその土地の厳しい冬を乗り越えるための知恵や、限られた食材を最高に美味しく食べようとする人々の「愛」から生まれています。有名な観光スポットを効率よく回るのもいいですが、ふらりと立ち寄った街の片隅で、地元の人たちが日常的に通う「隠れメシ」に出会う。そこで交わされる店主との何気ない会話や、独特の味付け。それこそが、旅の思い出を一生モノに変えてくれる「スパイス」になるはずです。次回の東北旅行では、ぜひ「知る人ぞ知る」一皿を探してみてください。ガイドブックのその先にある、あなただけの最高の美味しさが、すぐそこで待っていますよ。

地元ライターが厳選!まだ知られていない東北6県の「隠れB級グルメ」を探せ

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